改めてエレキマスターお疲れ様でした。
あさりのみそしるです。
今回は先日行われたエレキマスターに参加する二人に託したロトムマイナンデッキについて記します。
まずはじめにこのデッキを握った二人の戦績について紹介します。
そえじ:4-1(予選4位通過) 準優勝
あにき:2-3
練習メンバーの中からそえじが決勝トーナメントに進出しております。
◎エレキマスターとは?
こちらを参照。
要約すると雷タイプのポケモン以外は一部例外を除いて採用不可。
基本エネルギーも雷エネルギー以外採用不可。
採用できる雷以外のポケモン
・イーブイ
・アゴジムシ
◎デッキ製作過程について
ジャッジとして運営側より参加した私ですが、元々は参加選手寄りの立ち位置で考えていました。
イベント告知が始まった時に、まずは下記の条件に沿うアタッカーを見つけることをしました。
1.サンダースVMAXやパッチラゴンVMAXを最大火力で倒せるポケモン
2.2エネないし3エネでわざが使用できるポケモン
1.についてはモミの存在が大きかったです。エレキパワーがある環境ならばともかくとして、今の雷タイプではVMAXをワンパンすることは到底無理のため、どうしても完成されてしまうとこちら側が消耗してしまうと考えました。
2.に関してはモココを使わない構築をコンセプトに考察を開始しました。
というのも、今でもロトムと同等にゼラオラ系統(VSTAR・VMAX)のデッキを評価しています。バトル場にダメージを与えつつ、ベンチにいるモココ(メリープ)をきぜつさせる。
そうすると、トラッシュからエネルギーを加速させる手段を失うことになり、わざを使うことができずにテンポロスで負けてしまうと考えました。れんげきゼラオラにモココを交え、フィニッシャーにゼラオラVSTARのVSTARわざで狩り切ればゲームが終わると想定していました。
なので、こちらのデッキはモココを用いずにエネルギーを間に合わせる想定で構築を開始しました。
たたき台として隙間時間に作ったロトムたたき台がこれです。
大問題として、エレキマスターのルールで「雷以外の基本エネルギーの採用は禁止」をすっかり読み飛ばしていたこと。
ビリリダマが急に「ごうりきざん」使ってきたらビビるだろうなあ(ニチャア)とか思っていました。改めて思い返すと作成しようとしていた自分に驚いています。
素案なので雑ですが、初期構築からアクロマの実験+ミラージュゲートによるエネルギー加速ロジックを考察していました。大会前日にこのロジックは抜けていきましたが、ロトムVのわざでロストしたカードの使い道とモココ以外でのエネルギー加速を考えた結果、こうなりました。
上記の初期案を丸くしたあたりで雷エネルギー以外採用不可が発覚。
ある程度詰めていたデッキ案を見直していくことになったのはVer1.1。
(裏面カードはロトムVSTAR、裏スリーブはマイナン2枚目)
ここでのコンセプトは「マイナンとモココを1:1交換する」でした。
れんげきの巻物「りゅうせい」でモココ刈り取ればいいんやってなってました。
この後くらいにレギュレーションに即した形(炎エネルギー不採用)に修正したロトムマイナンを、あにきが持ってきたパッチラゴン単でテストマッチし、想定通り撃破できたのでロトム考察でいくことにしました。
ゼラオラとクワガノンも同時期に考察してはいましたが、ミラー戦したときに挽回する手段が乏しいことと、選択肢が多岐にわたるため練習時間が取れないとやりたいことができずに撃沈してしまうことを恐れてロトム一本に絞る形となりました。
これがVer.2.0です。
(マイナン買った)
ルールに即して、エネルギーをすべて基本エネルギーに統一したデッキになりました。
右下の裏面の自由枠はシンオウ神殿を挿そうとしていたような気がします。
スピード雷が優秀すぎるため、エネルギーの半分を特殊エネルギーで占める環境になるかもしれないとすると、その頼みの綱を死に札にするのは強力です。枠の都合上、採用を最終的に見送りましたが62枚目のカードでした。
ここから「ロスト条件以外でのエネ加速手段を追加」と「ミラー相手への学習装置を剥がす手段」、「エネルギー枚数の妥協」等考慮した結果、最終的に大会に持ち込んだのが以下のデッキになりました。
◎カード個別解説
ロトムV
1ターン目から場に置きたいので4枚。
アタッカーと特性で3枚引いて次ターンに備える、いうならばザシアンVの役割です。
最低3体、状況によっては4体使用することも視野に入れてプレイします。
それ以外は特に言及することがないので次にいきます。
ロトムV STAR
このデッキで最大火力が出るカードです。
当たり前のことを述べましたが、+80から始まるダメージと+40から始まるダメージはポケモンの道具1枚分違います。ひいては出せる最大火力が変わってきます。
理想としては2ターン目にこのカードが相手のポケモンVを倒してサイドを2枚取るのが理想です。そのためにいかに2エネ着けてトラッシュにポケモンの道具を置いておくかが重要になります。
一応、シンオウ神殿型と悪の塔型、ポケストップ型を検証していましたが、一番しっくりこなかったのはポケストップ型です。キバナ使いたいのと釣竿入れていないためロトムラインが落ちた時に痛い目見ること、相手に使われた方が嫌なカードだったので見送りました。当日は結構このスタジアムが採用されていたので驚きました。
1体目のロトムV STARには災いの箱、2体目のロトムV STARには学習装置、3体目のロトムV STARにはポンチョを持たせるのが理想です。
災いの箱はミラー時に最悪ロトムVの打点でも相手をきぜつに持っていくための措置です。道具をトラッシュからロストゾーンに置くこのデッキは、後半になればなるほどジリ貧になります。デッキの枠の都合上、道具に割く割合は16/60か17/60が最大値であり、サイドカードだったり手札から切れなかったりすると途端にダメージが少なくなります。
ミラー戦においてはともかく、ジバコイルV STARやサンダースV MAX相手に1手与えると負けに繋がります。仕留めるときに仕留めるために、様々な方法でダメカンを乗せる手段を持っておく必要がありました。まあ、ロトムVでもない限りジバコイルV STARにワンパンされることはないのですが。
2体目のロトムは学習装置を。こちらはキバナ温存やボスの司令を使用して相手のメインアタッカーを獲るために。2体目のロトムをキバナでエネルギー加速しちゃうと、次ターンにカウンターで倒されちゃう恐れがあるため、できることなら学習装置ロトムからいきたいものです。
3体目のロトムにはポンチョを。こちらはデッキレシピを共有した方から賛否両論がありましたが、理論上、ロトムデッキの負けは2-2-2でサイドを取られた時です。プレイング上、マイナン→れんげきの巻物→「いづなおとし」で110ダメージ〜を与えつつ、ボスの司令を使われても対象にならないようにして1手作るのが必要になります。まさかマイナン挟んでサイドを奇数にするとは想像されないと思いますし、ロトムミラー時を考えるとツールスクラッパーの採用はトラッシュ肥やしさせてしまうためなかなか考えられず、あってもロストスイーパーが1〜2枚、そのスイーパーも序中盤の学習装置を割りたいがために使用されると想定されます。
だからこそ、こちらは2枚ずつサイドを取得し、相手に1枚しか取らせない瞬間を作る必要があると感じて採用しました。
「へんかんスター」の使用タイミングですが、そこはお好みで。マリィがお互いに刺さる環境だったため、マリィでドブみたいな手札になった時か終盤でボスの司令を引きたいときに使えばいいかなって思いました。頂への雪道が怖かったのですが、パッと見採用している方がいないように見受けられたため、そこまでメタが回ってなかったのかなというのが印象です。ロトムを潰す側なら間違いなく入れます。
いちげきビリリダマに代わって採用されたカード。「なかまをよぶ」はもちろん強力ですが、れんげきの巻物の「いづなおとし」を使いたいために採用しました。
このレギュレーションを見渡すと、非Vで手軽にこづけるポケモンはなかなかおらず、ゼラオラがVに110ダメージ出せるくらいでした。
ゼラオラでもよかったのですが、後攻でゼラオラスタートでエネ貼ってエンドしてターンを返して2ターン目で負けるくらいならば、マイナンでロトムVを出しておいて準備すればまだゲームができます。
それと基本的にマイナン見たところで放置されるので、キバナからの奇襲で少しでもダメージを合わせておけばいいかなっていう考えもあります。
一応災いの箱による80ダメージ+いづなおとしで110ダメージ〜(大体2エネのわざでロトムが吹っ飛ぶ計算)で190ダメージ。ロトムVに届くダメージ量はあります。
余談ですが、ある日のTwitterでのつぶやきでエネポーターが何故スタン環境にないんだと嘆いていましたが、それはマイナンで160ダメージを出し、240ラインまで届かせたかったからです。スピード雷多分場にあるでしょうし。
博士の研究4 ボスの司令2 キバナ3
特出すべきはキバナ。3と厚い構築です。
学習装置でのリカバリーは案外脆く、ロストスイーパーやツールスクラッパーで目も当てられない結果になります。もちろんマルマインによる加速も考えましたが、相手に手札を増やさせて(サイドを取らせて)リカバリーすることに強さを感じられませんでした。「へんかんスター」によるトラッシュ送りカードが1枚増えてボス引かれたら嫌だなあという思いが強く、もちろんツツジを握っていて使えれば強力ですが、「うらこうさく」も「いざなうしらべ」もなく、トレッキングシューズや他サポートで引けるか分からないものをそこまで採用しないだろうなあと想定してました。
マルマインでのリカバリーを諦めた手前、別の方法を捻出する必要がありました。大会前日までミラージュゲートによるエネルギー加速ロジックを採用しており、どうせ「スクラップパルス」でロストゾーンが肥えるならば、それを活かさない手はないと考えていました。
しかしながら、たまたま電話で話すことができたゆる坊という者にデッキを見てもらった結果、ロストロジックよりもキバナ振った方がいいとアドバイスを受け、急遽変更しました。
ドロソが減った分、あにきには悪いことをしましたが、添字がキバナに助けられたと話を聞くと変更してよかったかなと思いました。
ボール各種 ハイパー4クイック3ヒスイのヘビーボール1
トラッシュに道具を送り込むためにハイパー厚めの構築にしています。クイックボールを1枚ヒスイのヘビーボールにしているのは、使うかもしれない4体目のロトムをサーチしにいくこと、サイドにどのカードが落ちているかを可視化して、今後の展開をプランニングすること、4枚もクイックボール使わなくてもトラッシュに送る手段があるからです。
道具各種
こだわりベルト
構築初期段階は4枚でしたが、学習装置や災いの箱の優先度が上がった結果、ピン挿しカードになりました。
+30はロスト1枚分くらいなので節約になりますが、瞬間的に火力を出したい時にしか使わないのと、大体1体V MAXを吹っ飛ばしたら用意するまでターン貰えそうなので、その間にこづいてから中火力で殴ればいいかなと考えた際、ベルトである必要がないことに気がつきました。
災いの箱
対ミラーでの威嚇用。れんげきの巻物「りゅうせい」ロジックが崩壊した時にカードリスト見てたら目にし、炸裂バルーン再録しないかなあって思いました。
冗談はさておき、相手が災いの箱を貼ってきたらめんどくさいと思ったのと最初に戦うロトムVに必ず貼りたいために4枚フル採用しました。
このためだけに秋葉原と某フリマアプリで800円程/枚で購入しました。同時期にこのカードのURに価格交渉している人がおり、出場者かな?メタ読みここまできているのか??と身構えましたが、蓋を開けてみればこの道具を採用してるのは他にいなかったようです。
ちなみにゴツゴツメットは20ダメージなので舐められるなと思い、即候補から外れました。時代はヘルメットではなく箱です。
ビッグパラソル
主にゼクロム用。効果受けないので麻痺にならず、1手遅れることもなくなります。添字が決勝戦でエモンガを前にして、このカードを貼らずに災いの箱をロトムに貼った瞬間は今でも思い出します。ジャッジしてなかったら見られなかった貴重な瞬間です。
このカードとツールジャマーの配分はずっと悩んでいましたが、結果的にゼクロムがそこまで多くなく、モココバレットにツールジャマーが刺さっていたので動かさずにいてよかったと思っています。
ツールジャマー
ふうせんやこだわりベルト、ミラー時の災いの箱に刺さればいいやと2枚採用していました。
結果的に準決勝で当たったフローズンという男のふうせんを妨害して1手作って捲ったのですごいなと思いました。余談ですがフローズンという男に添字、そして僕は1回も勝ててなく、準決勝まで来れて添字も腕を上げたなとしみじみしてたら勝ったので複雑な思いを抱きました。僕勝ててないのに。
葉隠れポンチョ
フワライド杯で対戦したキュレム使いが採用していて惚れたカード。あのキュレムV MAXデッキ、出来が良くて一目惚れしてレシピ買うくらいに好きでした。
使用方法は上記のとおり。ボスを回避したらロストスイーパーしてこだわりベルトでも巻いてください。
れんげきの巻物 天の巻
道具の傘増しとマイナンが本領を発揮するカードです。サイドカードを奇数にする役割を持たせることは良かったのですが、添字がうまく使えてなかったみたいなので難しいなって思いました。(小並感)
使用方法は上記参照。
ロストスイーパー
主にミラーでの学習装置、サンダースのバッヂをロストに送るのに採用。
特にミラーの場合、場からエネルギーを消せばほぼ優位を取れるという対面になっています。こちらのロトムがきぜつしようとも、別のロトムが途切れなくわざを使うことができれば数的優位を取ることができるのです。もっとも、キバナロジックやミラージュゲートロジックといった、トラッシュや山札からエネルギーを加速する手段があるならば話は別ですが。
ツールスクラッパーではなくロストスイーパーにしているのは、トラッシュに送ると「スクラップパルス」の打点に変わってしまうからです。こちらのスイーパーのコストは2体目のマイナンや対象のないクイックボールといった山札に戻っても起死回生の役割を果たさないカードを優先的に選択していきます。
ファッションモール
頂への雪道を割りたいがために採用。あとは悪の塔とか相手に好き勝手させるスタジアムを割ったり、使用済みの学習装置を回収してトラッシュに送ったらツールジャマーに貼り替えたりする仕事があります。
エネルギー
雷8枚。最低限。スピード雷はシンオウ神殿貼られたらめんどくさいのと学者装置を確実に発動させたいため不採用に。多分スピード雷採用してないのこのデッキくらいだと自負しています。
◎不採用カード
ミラージュゲート
アクロマの実験
ロスト軸によるエネルギー加速手段。
キバナとファッションモールの枠を作るために泣く泣く不採用に。使用感は悪くないです。
シンオウ神殿
スピード雷メタ。ロトムが雷雷でのエネコストなので刺さる時には刺さります。ロストスイーパー2枚目の枠になるため不採用となりました。
ふうせん
逃げることがまずないので不採用。特に強さを感じることもないのでロトムでは採用しなくて大丈夫です。
◎山札確認札(あさりテストプレイ時に実践済)
2.エネルギーの枚数(◯枚/8枚)
3.ボスの枚数
4.ツールジャマーとベルト、パラソルの枚数
※上記のは最低でも最初の山確認で目視する券種。「サイドに落ちているカードをキバナで噛み合わせる」意識を持つ。
◎決勝戦敗退の分岐点(添字後攻)
1.エモンガ相手にビッグパラソルを貼らずに災いの箱をバトル場のロトムVに貼る。
2.基本雷エネルギーをベンチのロトムに貼る。
3.相手の悪の塔をファッションモールで割らない。
1.についてはトレッキングシューズでの選択なので厳しい部分ではありました。エモンガの「でんきショック」で1手作られるとロトムの準備をされて捲られてしまうので可能ならば手札に確保しておきたかった道具でした。
2.が1番ダメなプレイング。一見正しく見えますが、山札にあるキバナがこれにより紙屑となってしまいます。結果論として次ターンに色々動いてキバナにアクセスできたため、学習装置が間に合わなかった以上、キバナを噛み合わせる動きをする方が良かったです。
3.についても2.と同様。悪の塔型となりますと、いちげきの巻物と悪の塔、ビリリダマ(一撃)が対象となります。上記にあるとおり、ポケモンの道具の枚数は概ね16枚で、いちげき軸の道具は4枚〜と想定できます。また、悪の塔自体もコストになるため、全体から6枚程、1/6で2ドローが可能になります。とすると、マリィからのリカバリーもできますしボスの司令やロストスイーパー、ツツジといったこちら側が使用されたら困るカードを握る可能性が高くなるわけです。
悪の塔を割った直後に貼り替えされることも想定されますが、そこはむしろ悪の塔効果でドローする回数が1回分失われたと思えば良いのです。要は「相手に好きなように動かれない」ようにしなければならなかったのでした。
(そもそもアルジュラ使っていたのだから悪の塔の強さは身に染みていたのではないのか…?)
と、言うことで決勝戦は開始3ターンで結果が見えました。ロトムミラーの良い応酬でしたが、裏を返して見るとプレイングの甘さが目立った戦いでした。
◎終わりに
レギュレーションが発表されてから詰めに詰めたので割と自信のある構築に仕上がりましたし、壁として対戦していく中で違和感を感じる部分を解消することができました。
結局、ジャッジとして携わり運営の一人として会場にいましたが、参加者一人一人のデッキが個性的で、トラブルがないよう祈りつつ遠巻きに見ていても楽しむことができました。
参加者の皆様、運営陣、構築の相談に乗ってくれたB3さんてぃらくんゆる坊、ありがとうございました。
次回のタイプマスターにどのような立場で携わるかはまだ分かりませんが、当日お会いした時にはよろしくお願いしたします。
最後に、添字準優勝おめでとうございます。アニキ含めて練習の結果が目に見える形で出てビルダーとしては嬉しく思います。まずはお疲れ様でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。